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韓非子(かんぴし)  韓非 著 金谷治 訳注(岩波文庫)

成分

韓非子 金谷治 訳注

 「始皇帝が読んで感激したものを、われわれもそのままに読めるというのは、嬉しいことではないか。」(15頁)
巻頭の解説で訳者がこう称える、中国古代の法家思想の名著。秦の始皇帝は本書の一部を読むと「ああ、これを書いた者と会えたら、私は死んでも構わない」(『史記』「韓非列伝」)と感嘆の声を上げたそうです。

 韓非の思想の核心は法によって国を統治する「法術」理論にあり、そこでは心地よいほどの明快な論理が、残酷なまでに冷徹かつ非情に展開されます。

 表面的には法の確立とその徹底した運用が説かれますが、その背景にあるのはこの上なく巧みな心理戦です。

 君主は才知に長けていてもあえてそれを殺し、それによってかえって臣下に能力を発揮させ、より大きな成果を得るべきであるという「主道 第五」より。

 明君は知恵があっても、それによって思慮をめぐらしたりはせず、万物がそれぞれのあり方をわきまえて落ち着くようにする。優れた才能を備えていても、それによって自分で仕事をしたりはせず、臣下に仕事をさせてその拠り所を観察する。勇気があっても、それによって自分で奮いたったりはせず、群臣にその武勇のありたけをつくさせる。それゆえ、明君は知恵を捨てさることによってかえって明智を得、優れた才能をお捨てさることによってかえって功績が上がり、勇気を捨てさることによってかえって強さが得られるのである。(80~81頁)

効能

 組織のマネジメントを冷酷なまでに楽しみたいあなたは必読です。

使用上の注意

 二千数百年も前に書かれた書物が現代に息づく奇跡を感じながら、現代の社会情勢に適合するように読み砕いて下さい。

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Posted at 07/10/31 16:10 | Edit

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