<神道>のこころ 葉室 頼昭
成分
著者葉室頼昭氏は、学習院から阪大医学部、卒業後は形成外科医として活躍。同時に大阪國學院で神官資格を取得し、60才を過ぎて神職に転身、大阪の枚岡神社、ついで奈良の春日大社の宮司に就任し、現在に至っています。
医者として、宮司として、著者の努力は並大抵のものではありません。しかし、その努力は周囲との競争の中で生まれたものではなく、「人と競争することはしない。ただ自分で努力する。結果は神様にお任せしよう」(12頁)という14才のころの決意をもとに、ただひたすら世の中の役に立とうとするところに動機があります。
人智の及ぶ範囲に対しては徹底して能動的に取り組みながら、結果に対してはこだわらず神様にお任せするというその生き方は、読む人に自分の人生を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
以下、著者のいくつかの言葉。
「現代のわれわれは、あまりにも人間の知識というものを重視し発達させたために、何でもかんでも自分の知識で物事を判断することが正しいと信じています。」(ⅰ頁)
「人間は、理屈でばかりもの考えていると、理屈に合わないことは存在しないとつい思ってしまう。それが人間が今まで行ってきた大きな間違いの一つではないでしょうか。」(81~82頁)
効能
真に信仰に身をゆだねて生きるということがどういうことなのか、著者の生き様がその本質について考えさせてくれます。
使用上の注意
神道という枠にこだわる必要はありません。多くの人にとって、著者の生き方は示唆に富むことでしょう。
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[山仁哲学堂 書評箋]より |
・<神道>のこころ 葉室 頼昭
(07/09/06) |
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Posted at 07/09/06 17:09 | Edit
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