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反転―闇社会の守護神と呼ばれて   田中森一    幻冬舎 (2007/06)

成分

反転―闇社会の守護神と呼ばれて

著者田中森一(たなかもりかず)は、検事として撚糸工連汚職、平和相互銀行不正融資事件、三菱重工CB事件などを担当し、伝説の辣腕特捜検事として名をはせました。1987年、弁護士に転身し、今度は逆に裏世界のヤクザや事件の主役たちを弁護するようになり、「闇社会の守護神」と呼ばれるようになります。しかし、2000年に石橋産業事件をめぐる詐欺容疑で東京地検に逮捕、起訴され、2006年、東京高裁にて懲役三年の実刑判決。現在、最高裁に上告中です。

本書は、そんな著者の幼少期から現在に至るまでのドラマが綴られています。登場人物として渡辺芳則、宅見勝、許永中、伊東寿永光、山口敏夫、末野謙一、小谷光浩、高橋治則などのそうそうたる面々が現れ、普段は明らかにされることがない政財界および裏社会の人脈が、無造作なまでに書きつづられていきます。

効能

表面的には、社会の仕組みの裏側をかいま見せてくれる点に面白みを感じるでしょう。 しかし、本質的には、突出した実力を持つ個とそれをおさえようとする公との争いに、人の思いが織りなす業の深さについて考えさせられることでしょう。

使用上の注意

著者のバイタリティーの源は「ハングリー精神」(91頁)。幼少期における長崎の離島での貧苦が、その活躍の原動力となっています。底辺からはい上がってきた実力者と、国家ヒエラルキーの上位に位置する検察上層部との確執が本書で展開するドラマの背景の本質であることを感じ取って下さい。ただし、それは単純な「成り上がりながらも潰される主役=悲劇のヒーロー」「検察上層部=権力を振りかざす悪者」という単純な構図ではなく、むしろ、おそらく多くの人にとっては、著者と裏社会の人間とのやり取りなどに、著者が国家権力に睨まれるのもやむなしと思わせる部分があるでしょう。

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Posted at 07/08/10 17:08 | Edit

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