『図説 やさしい構造力学』 浅野 清昭 著 学芸出版社 (2004/10)
成分
世に「初心者向け」を謳った構造力学の本は多数ありますが、それらの九分九厘は「専門課程を学んでいる初心者向け」です。ずぶの素人が読んでついていけるものではありません。
そんな中で本書は、「理数系が中学卒業レベルの人」にも理解できるようにつくられた唯一の構造力学入門書です。
まず第1章で、分数、平方根、方程式、相似形など、小・中学校レベルの算数・数学を復習します。
続いて力学の基本に入り、反力、応力、トラス、断面2次モーメント、応力度、座屈、たわみ、不静定構造、塑性解析へと進んでいきます。
全編を通してイラスト豊富、「力のイラスト化」「矢印図法」「面積法」「スパナ化法」など従来の類書ではあまり紹介されてこなかった分かりやすい力学的手法が段階的に紹介され、大変分かりやすく学習を進めることができます。
効能
・二級建築士を目指す人
・一級建築士受験の基礎作りをしたい人
・建築系専門学校、高等学校で構造力学を学ぶ人
・大学課程構造力学の基礎作りをしたい人
ちなみに堂主は、二級建築士を取得した際には構造力学は一切やりませんでしたが(それでも二級は取れてしまいます)、一級受験にあたり本書から勉強を始め、続いて一級建築士用参考書一冊、及び過去問20年分をやることにより、構造力学は最も確実な得点源の一つになりました。
構造力学は建築士試験における他の科目と頭の使い方が違いますので、得意科目になってくると「気分転換に力学でもやろっと!」という境地になってきます。
使用上の注意
構造力学初心者としては、練習問題の解説ももっと充実させて欲しいと感じるでしょう。しかしながら、本書の解説を読んでも理解できなかった問題はとりあえず保留しておきましょう。本書で基礎力を培った後、ワンランク上の類書や建築士試験の問題集などで学習し、もう一度本書に戻ってみれば、「なるほど、こういう事だったのね。」と容易に納得できるようになっているでしょう。
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図説,やさしい,構造力学,浅野清昭,建築士,
Posted at 08/10/17 18:10 | Edit
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