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僕の小規模な失敗   福満 しげゆき   青林工芸舎 (2005/09)

成分

僕の小規模な失敗

「このままじゃダメになる すべてがダメになる大いなる予感」(5頁)を背景に、ほぼその予感通りに人生が進んでいく、ある漫画家志望の若者の青春期です。

高校では一年生を三回も繰り返し、大学では一人も友達ができない。どんなバイトも長続きせず、肝心の漫画も掲載されることの方がマレ。 そんな悲惨な青春時代が、苦しみ悶えながら描き続けられていきます。

悲惨な状況であるが故に、作者は自分を他者と、特に同世代の若者達と比較し、ますます落ち込んでいくわけですが、しかしながら落ち込めば落ち込むほど、作者の周囲に対する観察眼、分析力は鋭さを増し、結果としてこの作品に厚みを持たせています。

おおよそ、内向的な人の方が人間的な深みを感じさせるものですが、本作の作者もその例外ではありません。

ただ、作者は全くの失敗者というわけではなく、高校時代には柔道部を自ら組織したり、本作のように漫画家としても何らかの成果を出せているわけで、その辺りの陰陽も面白みの一つとなっています。

効能

人間、とくに思春期の青年における、弱さ、もろさ、不安を的確に見つめ、それを自虐的なまでに自らの姿としてさらけ出す著者の姿勢が、読む人に言いようのない共感と安心感を与えてくれます。

使用上の注意

この種の否定的な雰囲気が漂いまくる漫画に、不思議と惹かれていく自分のこころの動きにも注意を払いながら読み進めましょう。

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[山仁哲学堂 書評箋]より
僕の小規模な失敗    (07/09/11)

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Posted at 07/09/11 17:09 | Edit

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